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工場や設備へのIoT導入を検討する場合、どのような懸念材料があるでしょうか。担当者がデジタル技術にくわしくない場合はとくに、IoTセンサーやAIシステムに関してセキュリティ的な問題がないのか、導入に慎重にならざるを得ないというのが本音かもしれません。
そこで本記事では、ネックとなるセキュリティの問題に関してどのような対策があるのか、どのような仕組みが採用されているのかについて、解説していきます。「閉域網」という、セキュアなネットワークについても説明します。
社外への情報漏えいや外部からのサイバー攻撃などに不安を感じてIoTの導入を躊躇しているという方は、参考になさってください。
IoTセンサーなどの機器を設置した監視システムには、生産性の向上やトラブルの未然防止などさまざまなメリットがあります。しかしセキュリティが脆弱なシステムの場合、インターネットを経由することでサイバー攻撃を受ける危険性があります。
セキュリティ対策が十分に取られていないIoTセンサーや遠隔監視カメラなどを踏み台にして社内LANに侵入されてしまうと、生産ラインのストップ、関連会社や取引会社などへの被害拡大など、大きなトラブルに見舞われてしまいます。
経済産業省が主導して作成されたセキュリティ対策ガイドラインには、IoT化や自動化に伴い、工場や設備のネットワークをインターネットにつなぐことによって生じるセキュリティの脅威について、以下のように例が示されています。
※引用元【PDF】:経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(Ver1.0)」(https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/factorysystems_guideline_ver1.0.pdf)
仮になんらかのトラブルが生じて情報漏えいや改ざんなどの影響が出るデータには、以下のようなものがあるとガイドラインにも示されています。
※引用元:【PDF】:経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(Ver1.0)」(https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/factorysystems_guideline_ver1.0.pdf)
内部情報の漏えいだけでなく、マルウェアなどの脅威にさらされないようにセキュリティ対策を講じておかないと、会社や工場の経営に大きな損害が生じる可能性があります。このガイドラインでは、セキュリティの脅威によって想定できるダメージなどについて詳しく解説されているので、一度目を通しておいたほうがいいかもしれません。
工場のIoT化を実現する方法には、大きく分けて『既存の社内LANを活用した接続』と『クラウドを経由した接続』の2つのアプローチがあります。ここでいうネットワークとは、デバイス同士をつなげる道路のようなもので、遠隔操作やデータの転送、デバイス同士の情報交換や連携を可能にします。
まずひとつ目は、既存の社内LANを活用したネットワーク接続です。イーサネット(有線LAN)やWi-Fi(無線LAN)で複数のデバイス、複数利用者による共有ができるため、社内LANでつながれているサーバーやその他の機器との連携ができるようになります。
エリアフリーな設置が可能となり自由度も向上しますが、通信障害などにより安定性が確保できない、セキュリティ対策が十分ではないといった課題もあるのが実情です。
そしてもうひとつは、デベロッパーが提供するサービスなどを活用するクラウド接続です。システム提供会社(デベロッパー)が用意するIoTセンサーなどを活用し、クラウド上のシステムを利用する方法です。
適切な認証を経れば、遠隔地からでもアクセスできる利便性はありますが、サービス提供会社がどのようなセキュリティ対策を講じているか、しっかり確認する必要があります。利便性とリスクは表裏一体ともいえますが、「不正アクセスなどのトラブルを未然に防ぐセキュリティ対策」について導入を決める前にしっかり説明を受けることが重要です。
工場IoTを検討する場合、「何を」「どのような目的で」「どれくらいの規模で」IoT化するのか、明確にしておかないと、接続方法やサービス内容の選択ができません。まず自社の状況や課題を明確にしてから、検討を始めるようにしてください。
IoTシステムを選定する際には、いくつか考慮すべきポイントがあります。工場DXに関する知識や経験がない場合であっても、最低限下記条件については整理しておくことをおすすめします。
経営者やシステム管理者だけで判断できない場合は、IoT機器のベンダーやシステム運用者に自社の状況をくわしく説明して、何が自社に最適なのか判断するサポートをしてもらうようにしましょう。
ここまでセキュリティに関する不安や課題、導入する前に整理しておかなければいけない要件などについて説明してきましたが、じつはこの問題を解決する方法があります。
それが、社内LANを使わず独立通信網を構築してIoT化を図るという方法です。どのような仕組みなのか、解説していきます。
従来のIoTシステムではインターネットを経由して社内LANを活用する方法でしたが、社内情報がインターネットを経由することで、サイバー攻撃などの危険にさらされてしまいます。
そこで近年多くのシステムで採用されているのが、「閉域網」という通信基盤です。LTEとは「Long Term Evolution」の略で、スマートフォンやタブレットに使用される「4G回線(第4世代)」の基盤となっている無線通信規格です。国際規格では4G回線と同等のものとして認められています。
このLTEを使った閉域網でインターネット接続と分離して独立させることにより、社内の情報が外部に漏洩することなくセキュアな通信が可能になります。キャリアの既存ネットワークを使用するため、エリア内であれば新たな設備を必要とせず、初期費用を抑えることができます。
SIMカードを挿すだけで、セキュリティ面での懸念材料を払しょくすることができるサービスがIoTシステムのベンダーより提供されています。大規模な工事の必要もありません。既存の携帯電話の通信回線を利用してインターネットを介すことなく、拠点間やSIMを挿入した端末同士で通信が可能になります。
一般のSIMカードと差別化して「閉域SIM」と呼ぶこのシステムは、セキュリティの面でも非常に有効で、サイバー攻撃や盗聴、監視カメラなどへの不正アクセスを防ぐことができます。この閉域SIMは工場の生産ラインや遠隔監視システムなどのほか、映像の転送や医療機関の端末、銀行などのPOSレジなど、決して情報が漏洩してはならないシステムにも採用されています。
大規模工場などは、敷地内にコアネットワーク設備をつくって自社専用の周波数で通信する「プライベートLTE」や「ローカル5G」といった独自のネットワークシステムとして、「閉域網」といわれるシステムを構築する場合もあります。
通信環境の自由度が高く独自運用が可能になりますが、初期費用や運用コストなどが高額になるうえ、インフラ構築を専門家に依頼するなど、多くの工数と費用がかかるというデメリットがあります。
工場や設備のIoT化に向けて新たなシステムを導入・構築したいと思っても、情報システム部やIT運用部門の責任者がなかなか首を縦に振らない、というケースも少なからずあると思います。コストの問題もありますが、セキュリティに対する不安材料に加えて管理が難しくなるという懸念があるからです。
本記事で紹介した閉域網は、スマートフォンやタブレットにSIMを挿すだけで安全なネットワーク通信が可能になるため、システム担当やIT部門担当者を煩わすことがありません。
既存の社内LANの設定変更(ファイアウォールの穴あけ、IPアドレスの割り当てなど)が一切不要なため、情シス部門の通常業務を圧迫せず、現場主導でスムーズに導入できるという大きなメリットがあります。
百聞は一見に如かず、実際の事例なども紹介してもらいながら、テスト運用なども含め検討してみることをおすすめします。
1948年に機械専門の商事会社として設立された第一実業は、産業機械だけでなくプラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業など7つの事業を展開しています。75年以上にわたる実績をベースに、さまざまなリスクに対応してきた歴史があります。
情報セキュリティに関しても、「情報セキュリティ基本方針」を定め、情報システムや情報資産をさまざまな脅威から守るための組織体制を徹底しています。
もしIoTの導入にセキュリティの観点から不安を感じるのであれば、問い合わせフォームよりセキュリティの仕様書やホワイトペーパーをご請求ください。貴社の懸念材料をうかがいながら、適切なシステムをご提案させていただきます。