当メディアは第一実業株式会社をスポンサーとしてZenken株式会社が運営しています。
設備保全の現場では、短時間の設備停止である「チョコ停」が生産に影響を及ぼすことがあり、原因や頻度の可視化と対策が求められています。チョコ停の原因は一つに限定されることは少なく、設備のメンテナンス不良や点検ミス・点検漏れ、前工程での不備など、現場ごとに複数の要因が絡んで発生します。
トラブルのたびに現場へ向かい、状況を見て、事務所へ戻って履歴を確認する流れが続くと、初動対応そのものが保全担当者の負担になります。そこで注目されるのが、センサーやカメラなどを使って設備の状態を遠隔で把握し、異常発生時にアラートで知らせる設備保全のリモート監視です。
設備稼働監視システムは、工場内のカメラやセンサーから収集した情報をもとに、各設備の稼働状況を確認し、稼働状態を監視する仕組みです。モバイル端末から確認できるシステムであれば、手元にPCがない状況でも各設備の状態を確認できます。スマートフォンやタブレットで遠隔監視できる環境では、深夜に工場へ出向かなくても遠隔で状況の確認が可能です。
夜間や休日のトラブル対応は従業員にとって大きな負担になりやすいため、離れた場所から設備状況を見られる仕組みは、心理的・物理的な負担を抑える材料になります。
設備稼働監視システムでは、事前に設定した数値や条件に応じてアラートを通知・表示が可能。たとえば温度や振動、電流などの値が通常と異なる傾向を示した場合、異常の前段階として警告を出す運用が考えられます。これは、設備が完全に止まる前に変化を捉える予兆検知の考え方です。
一方で、モーターの不具合や異常高温など、すでに異常が発生した場合にアラートで知らせる運用もあります。こちらは、発生後の初動を早めるための通知です。予兆の段階で知らせるのか、異常発生後に知らせるのかは、監視する設備や設定する基準によって変わりますが、いずれの場合でも対象設備、異常の種類、発生時刻、直近の状態変化を把握できれば、初動の迷いを減らしやすくなります。
設備保全DXの本質は、センサーによる遠隔監視とデータ分析により、状態基準保全や予知保全へ移行し、工場全体の生産性を高めることにあります。
トラブル発生時の初動でも、現場の感覚だけに頼るのではなく、温度、振動、電流、圧力、稼働状態などのデータを確認することで、原因特定の手がかりを得やすくなります。設備稼働監視では、電流・温度・圧力・人の動きなど、さまざまな情報を取得して設備の状態を把握します。
遠隔監視システムでは、設備の稼働率や生産量・生産率・消費電力などをクラウドサーバーに記録し、可視化・蓄積できます。データが蓄積されると、異常が一時的に発生したのか、同じ設備で繰り返し発生しているのかを確認しやすくなります。
チョコ停対策では、発生頻度と原因を可視化し、原因別に発生時間や頻度、停止時間を記録することが重要。停止前後のデータを並べて見ることで、突発的な外乱による停止なのか、摩耗や汚れ、部品劣化のように徐々に進む不調なのかを切り分ける判断材料になります。
異常の種類や発生箇所が事前に把握できれば、保全担当者は現場へ向かう前に必要な工具や部品を絞り込みやすくなります。設備稼働監視システムは、異常が頻発している設備や稼働停止が多い設備を数値データから発見しやすくし、要因分析を効率的に進められる仕組みです。
初動対応で重要なのは、現場へ向かう前に設備の状態を整理できること。「とりあえず見に行く」対応では、現場確認の後に工具や部品を準備し直すケースもありますが、事前に異常の内容を確認できれば、二度手間を減らして復旧作業に入りやすくなります。
小さな異常がチョコ停で済んでいる段階でも、そのまま時間が経過すると長時間にわたって設備が止まる「ドカ停」につながる可能性があります。アラートを起点に早く動ける体制づくりが重要です。
頻発するチョコ停は、工場の稼働率低下、製品品質の低下、機会損失、納期遅延につながるおそれがあります。そのため、復旧して終わりにするのではなく、停止前後の状態を記録し、同じ原因が再発していないかを確認する運用が必要です。
予兆保全は、センサーやAI、IoT機器を使い、異常や予兆を事前検知する保全の考え方です。
チョコ停対策では、すべての停止を一律に扱うのではなく、生産や品質に直結する停止から優先度を付けて改善に取り組むことが重要です。遠隔監視によって設備や機械の稼働状況がデータ化されると、故障リスクやトラブル予防につなげられます。
日々のアラート履歴、停止時間、復旧作業の内容を蓄積すれば、保全担当者の経験だけに依存しない再発防止策を検討しやすくなります。この積み重ねが、チョコ停対応を「その場の復旧」から「次に止めないための保全」へ変えていきます。
第一実業は、製造業・プラント業界で75年以上にわたり現場の設備導入と運用を支援してきました。メーカー中立の立場から、各種産業へ保全DXや予知保全などの取り組みを提案しています。
設備保全のDX化は、業種や設備構成によって課題も必要な仕組みも変わるため、複数のメーカー製品や技術を横断的に比較し、現場条件に合わせて組み合わせることが重要です。
第一実業では製品単体の提供ではなく、要素同士を組み合わせて現場が使いやすい形で仕組みをつくることを重視しています。
設備異常の通知、現場へ向かう前の状態確認、停止前後データの振り返りは、チョコ停対応の初動を変えるための実務的な入口になります。スマホで確認できる遠隔監視の仕組みを取り入れることで、夜間・休日を含む保全対応の負担を抑えながら、データに基づいた初動対応へ移行しやすくなります。